ヴィンテージエルメスジュエリーの魅力とは
エルメス(HERMÈS)ブックルセリエの特徴
歴史的背景を持つ、ヴィンテージ古着。人気が高く希少なアイテムの価値は高まり続け、一着に数千万円なんて価格が付くこともしばしば。「こうなってしまってはもう、ヴィンテージは一部のマニアやお金持ちしか楽しめないのか・・・」と諦める声も聞こえてきそうです。
でも、そんなことはありません。実は、現時点で価格が高騰しきっておらず、ヴィンテージとしての楽しみも味わえる隠れた名品もまだまだ存在します。この企画では、そんなアイテムを十倍直昭自身が「令和のマストバイヴィンテージ」として毎週金曜日に連載形式で紹介。第41回は「エルメス(HERMÈS)」ブックルセリエ編。

2008年にセレクトヴィンテージショップ「グリモワール(Grimoire)」をオープンしたのち、2021年にはヴィンテージ総合プラットフォーム VCM(@vcm_vintagecollectionmall)を立ち上げ、日本最大級のヴィンテージの祭典「VCM VINTAGE MARKET」を主催している。また、渋谷パルコにて、マーケット型ショップの「VCM MARKET BOOTH」やエルメスジュエリーを専門に取り扱う予約制ショップ「VCM COLLECTION STORE」、イベントスペース「VCM GALLEY」を運営。2023年10月には初の書籍「Vintage Collectables by VCM」を刊行するなど、ヴィンテージを軸とした様々な分野で活動し、全国のヴィンテージショップとファンを繋げる場の提供や情報発信を行っている。
シェーヌダンクルと双璧、古参モデル ブックルセリエの魅力とは
当連載ではこれまでたくさんのヴィンテージエルメスジュエリーを紹介してきましたが、ブックルセリエはそのなかでもかなり古参のモデルで、誕生したのは第二次世界大戦終戦から1年後の1946年。販売されていた期間が長いので、これまで多数のバリエーションが発売されており、サイズ展開も豊富です。一番大きいサイズはTGM(Très Grand Modèle=とても大きいサイズ)、そこから大きい順に、GM(Grand Modèle)、MM(Moyen Modèle)、PM(Petit Modèle)、TPM(Très Petit Modèle)と呼ばれています。一般的に人気が高いのはGM、MM、PMです。

Image by: FASHIONSNAP
TGMはその大きさから男性向けと思われる方も多いんですが、意外と女性のお客様からの支持も厚いサイズです。

付け方に正解はありませんが、僕はこのように剣先を外側に「逃がして」付けると、格好良いと思います
Image by: FASHIONSNAP
ブックルセリエ (Boucle Sellier)は、直訳すると「鞍職人のバックル」という意味で、鞍などをつくる馬具商としてスタートしたエルメスのルーツを色濃く表現しています。シェーヌダンクルと共にヴィンテージエルメスジュエリーを代表する存在ですが、カジ