今年のアカデミー賞、ゴールデングローブ賞という賞レースにおいて有力作のひとつだったのが、本作『君の名前で僕を呼んで』。知っている人もいるでしょうから、まず真っ先に試写会の応募方法等をお知らせします。
こちらの作品の4月5日(木)に「よみうりホール」で行われる一般試写会に、15組30名様という大人数をご招待します。
応募方法は、件名に「君の名前で僕を呼んで」と記入し、氏名、住所、電話番号を明記のうえ、3月26日(月)24時までに[presents@rhino-inc.jp]へメールをお送りください。当選者の発表は、1組2名様分の当選ハガキの発送をもってかえさせていただきます。
〜STORY〜
1983年夏、北イタリアの避暑地で家族と夏を過ごす17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)は、大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァー(アーミー・ハマー)と出会う。一緒に自転車で街を散策したり、泳いだり、午後を読書や音楽を聴いたりして過ごすうちに、エリオのオリヴァーへの気持ちは、やがて初めて知る恋へと変わっていく。
では映画の話に。
まずはティモシー・シャラメというこの主役の俳優の名前を覚えておいたほうがいいでしょう。オスカー主演男優賞の最年少受賞は惜しくも逃したものの、その素晴らしさが陰ることは1ミリもありません。おそらく、映画界の新星として今後はさまざまなファッションブランドのアイコンとしても起用されることになりそうな気がします。
ティモシーと共演したのは、長身の整った容姿も魅力的な『コードネーム U.N.C.L.E.』のアーミー・ハマー。『ソーシャル・ネットワーク』の一人で双子役をこなした俳優と言えば、覚えているひともいるのでは?
監督は『ミラノ、愛に生きる』のイタリア出身のルカ・グァダニーノ。主演、助演すべての俳優たちの見事なアンサンブルと、美しく深いシナリオを得て、いよいよその才能を花開かせました。そして、刊行時から話題を集めた原作を脚色したのは、現在89歳の名匠ジェームズ・アイヴォリー。『眺めのいい部屋』や『モーリス』、『日の名残り』といった名作を生み出して来た名匠が、17歳と24歳の青年の初めての、そして生涯忘れられない恋の痛みと喜びを描きました。
監督自身が住む、イタリアのクレマという町をロケ地にしたこと。撮影監督に、タイのアピチャッポン映画を撮影したサヨムプー・ムックディプロームを起用したこと。緑豊かな夏を目掛けて撮影したこと、などなどすべての条件がそろい、時には神々しいまでの瑞々しさを画面から放ちます。その魅力を味わうには、映画館という暗がりと大画面が一番適しているはず。
そのほか、観たひとが口を揃えて魅了されたという、スフィアン・スティーブンスが手がけたサウンドトラック。そして、3分半という長回しで終えるラストショットなど、見応えを挙げていけばきりがありません。
本作は、男性同士の恋を描く、いわゆるLGBT映画としてジャンル分けされるのでしょうが、そのジャンルの垣根を軽々と超えるほど、恋の痛みと喜びという普遍的なテーマを描いた傑作です。何度でも見返したくなる…お世辞抜きにそんな作品です。今年の映画界を代表する一作をぜひ堪能してください。
Text_Shinri Kobayashi
『君の名前で僕を呼んで』試写会
日時:4月5日(木)18:30〜(18:00開場)(上映時間:132分)
会場:よみうりホール
住所:東京都千代田区有楽町1-11-1 読売会館7階
映画『君の名前で僕を呼んで』
4月27日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
http://cmbyn-movie.jp/
©Frenesy, La Cinefacture
Source: フィナム