コーディ・フィリップスは、バッグの中にいます。文字通り。私たちがパリの雨の降る1月の午後に会ったとき、30歳のデザイナーは、アコーディオンバッグの中で家族のピクニックでジャガイモサックレースに参加しているかのように、ショールームで跳ね回っています。彼は、これが彼が作った中で最もお気に入りのものの1つだと言います。この黒いレザーバッグは、全開にすると元のサイズの3倍に広がるジッパーで覆われています。完璧に仕上げるのに2年かかりました。彼のお気に入りのデザインのように、初めは不可能だと思っていたことを可能にします。

自身のブランドで最も大きな年の1つを終えたフィリップスは、2025年にさらなる飛躍を果たす準備が整っています。パリファッションウィークメンズ中に初めてのショールームを持ちます。

2025年秋冬シーズンは、フィリップスがパリでコレクションを披露した初めての機会でした。ラックを見ていると、彼がついにその飛躍を決意した理由がわかります。このラインは、アウターウェア、シャツ、パンツ、アクセサリー、さらには靴までを包括しており、彼の想像力豊かなデザイン選択と細部への入念な注意によって新たな命を吹き込まれています。

厚手のフェイクファーカラーが付いたバターレザーボンバージャケットは、目を引く存在です。ダブルウェルトフラップポケットのボタンアップは、シルクなどのセクシーな素材で作られています。カラフルな装飾が施されたラッソシャツは、2024年のヒットアイテムで、クレープウールのジャガードで作られたロングスリーブバージョンが登場します。フード付きのフーディー、レザーのドライビンググローブ、黒いレザーや栗色のスエードで仕上げた尖ったつま先のドレッシーブーツなど、新しいコアアイテムも登場します。

フィリップスは、2024年5月に初めての公式コレクションを発表し、今もブルックリンのアパートからブランドを運営しています。彼の目標は、プレミアム領域で運営し、最終的にはラグジュアリーに到達することで、現在のアウターウェアの価格は420ドル以上です。フィリップスは、自身のクラフトに真剣に取り組んでおり、これまでで最高水準の衣類を提供しています。

フィリップスは自身の人生のほとんどで服を作ってきました。13歳のときに最初のアイテムを作り、16歳で最初のデザインを売りましたが、正式なデザインのトレーニングは受けていません。約5年前から、彼はフォロワーがウェルトやカーゴポケットを作る方法などを学べるように、ソーシャルメディアにチュートリアルを投稿し始めました。彼のデザインの旅に自身の風変わりな性格を結びつけることで、フィリップスは時には少し高慢な世界で自分自身をフォロワーに人間味を与えました。これにより、Instagramで15万3000人以上の忠実なコミュニティが形成されました。

パンツは彼の最初の大成功でした。カーゴポーチで覆われたMr. Poopysや、2020年と2021年にそれぞれデビューした波状パネルのCurve Jeansは、今日までの定番の売れ筋です。フィリップスは、新しいパンツスタイルを取り入れ、ポケットの有無にかかわらずラインを拡大し続けたいと考えています。KidSuperの2025年秋冬ショーでは、フィリップスはコルム・ディレインと協力し、彼の緻密なデザイン要素を取り入れたパンツ5種を発表しました。インディゴデニムジーンズに巨大な茶色のサテンフラップポケットが付いたり、別のパンツでは、生の白い糸が縞模様を作るなど、斬新なデザインが施されています。

衣類だけが進化しているわけではありません。フィリップスは、インターネットで話題を呼んだ記憶に残るルックブックで2024年を締めくくりました。黒い目と出血した鼻を持つモデルが、まるで路上で喧嘩をしたばかりのように横たわっていました。これは、フィリップスが完全に自社で取り組んだ初のキャンペーンであり、今後も独自のビジュアルをさらに拡大していくことを切望しています。

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