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The North Face 創業者夫妻の尽力により南米地域に新たな国立公園が誕生

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南アメリカ地域南部に位置するチリ共和国の大統領 Michelle Bachelet(ミシェル・バチェレ)が、Hornopirén(オルノピレン)地域から同国南端のCape Horn(ホーン岬)に至るまでの超広大な地域を対象とする国立公園組織化を発表。この一見無茶とも思えるほどに広大な地域を対象とした国立公園の組織化は、世界的アウトドアブランドの〈The North Face(ザ・ノース・フェイス)〉創設者であるDouglas Tompkins(ダグラス・トンプキンス)とその妻 Kristine McDivitt Tompkins(クリスティン・マクディヴィット・トンプキンス)による構想に端を発したもの。その経緯を彼らの過去を含めて紹介していきたい。

Douglas Tompkinsは1960年代半ばにアメリカ・カリフォルニア州にて〈The North Face〉を設立し、数年後には衣料ブランドの〈Esprit(エスプリ)〉を設立。その後ビジネスは軌道に乗り、Douglas Tompkinsも世界的な大成功を収めて莫大な富を得ることに成功した。しかし幼いころから登山やスキーなどアウトドアカルチャーに親しんできた彼は1989年にビジネスの世界から足を洗い、環境保護活動家へと転身。ちなみにその環境保護活動家への転身の背景にあったとされるのが、〈Patagonia(パタゴニア)〉創業者としても知られる彼の盟友 Yvon Chouinard(イヴォン・シュイナード)とともに1968年にクライミングギアやサーフボード、カメラなどを積んだ古いバンに乗って出かけた約半年にも及ぶ南米地域への旅であったとされている。

そうしてビジネスの世界から離れ、得た富を自然に還元する道を選んだ彼はチリ共和国の南部に移住する。1991年には3億4500万ドルもの金額で自然を保護するべくパタゴニア地域に莫大な土地を購入し、その後も少しずつ土地を買い増し続けていった。ビジネスに成功したアメリカ人億万長者が南米地域の広大な土地を買い上げていく行為は、現地の人々からすれば快く思われなかったようだが、彼は忍耐強い活動を続けていった。しかし2015年末にチリ南部パタゴニア地区のネラル・カレラ湖にてカヤックを楽しんでいる最中、そのカヤックが転覆し、Douglas Tompkinsは低体温症のため享年72歳で逝去。その事故の数か月前、彼ら夫妻はチリ政府に対して「もし国立公園として適切に管理してくれるのであれば、我々が所有する100万エーカー(約4046km²)以上の土地を国に寄付したい」という提案をした矢先の出来事であった。彼の死後においても妻のKrisはその意志と計画を受け継ぎ、政府の協力を得て環境保護活動を続け、遂に今回正式に政府が彼ら夫妻から寄付された土地を含む地域の国立公園組織化を発表。当初予定されていたよりも更に広大な地域が対象とされ、結果的に1000万エーカー(約40468km²)もの広さを誇る“Patagonia National Park(パタゴニア国立公園)”組織が誕生したのである。

自然を愛するひとりに人物として「地球の住むための家賃を払う」という言葉の元にビジネスシーンから去り、最後まで環境保護活動に尽力したDouglas Tompkinsと妻としてその意志を受け継いだKris、柔軟な対応で自然を保護する動きを見せたチリ共和国に最大限の賛辞を送りたい。

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Source: HYPE BEAST

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