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Interviews:UNDEFEATED 創設者から見たスニーカーシーンの興隆や他カルチャーとの関係性

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さまざまな歴史やカルチャーにとって大きな転換点となった悲劇の日である“9.11”こと2001年9月11日からちょうど1年後の2002年9月11日、“Undefeated(=屈しない)”という強い信念のもとにアメリカ・ロサンゼルス市内のラ・ブレア地区で誕生したスニーカーブティックの『UNDEFEATED(アンディフィーテッド)』。James Bond(ジェームス・ボンド)とEddie Cruz(エディー・クルーズ)の2人が共同創設者としてスタートさせた同店は、世界屈指のラインアップでスニーカーヘッズたちからの人気を集めてその規模を拡大。現在ではアメリカ西部に6店舗、日本国内に7店舗を構えるまでに成長を遂げた。2005年からはアメリカ西海岸に根付く文化背景やミリタリーカルチャーへの深い造詣をミックスさせたオリジナルアパレルラインとしての〈UNDEFEATED〉もスタート。〈Nike(ナイキ)〉や〈adidas(アディダス)〉を始めとするブランドとのコラボレーションも複数回展開し、絶えずストリートシーンからの注目を集めている最重要リテーラー/ブランドのひとつである。

そんな『UNDEFEATED』が今回手を組んだのが、2006年に設立され、現在は「Apple(アップル)」傘下の世界的オーディオブランドである「Beats」こと「Beats by Dr. Dre(ビーツ・バイ・ドクタードレ)」。1980年代後半に一世を風靡したヒップホップグループ N.W.A.の初期メンバーであり、“Eminem(エミネム)の発掘人”としても知られるヒップホップ界の重鎮 Dr. Dre(ドクター・ドレ)と世界的音楽プロデューサーのJimmy Iovine(ジミー・アイオヴァイン)が立ち上げた「Beats」のワイヤレスイヤホン BeatsXとポータブルスピーカー Beats Pill+に『UNDEFEATED』の骨太な美学を落とし込んだコラボアイテムが2018年2月1日より発売されていることは既にお伝えした通りだが、今回『HYPEBEAST』はその発売を記念して渋谷のギャラリー『16(Sixteen)』で開催されたVIPパーティーに出席するべく日本を訪れた『UNDEFEATED』創設者のひとり James Bondをキャッチすることに成功。SNSの台頭もあって近年更なる隆盛を見せるスニーカーシーンやリセール(転売)文化についてのこと、長年に渡ってスニーカー/ストリートシーンの中心に存在し続ける『UNDEFEATED』の支柱を成す考え方などについて語ってくれた。

– UNDEFEATEDにとってはじまりの地でもあるラ・ブレア地区は、LAのほかの街、例えばフェアファックスと比べるとどんなエリア?

フェアファックスと比べたらラ・ブレアはもう少し落ち着いた街って感じだな。店にしてもフェアファックスにあるのはSupreme(シュプリーム)やGolf Wang(ゴルフワン)みたいな溌剌とした若々しいブランドで、対するラ・ブレアにあるのはStone Island(ストーンアイランド)やArc’teryx(アークテリクス)、UNION(ユニオン)みたいに少し大人向け。若い頃はフェアファックスで遊んで、少し歳をとってくるとラ・ブレアに足を踏み入れるようになるんだ。

– ジェームスにとってそれらの街に似ているなと感じる場所は東京にある?

東京の中だと代官山エリアはラ・ブレアに近しい空気感を感じるね。渋谷とか原宿がLAでいうところのフェアファックスって感じかな。

– 東京のスニーカーシーンについてはどう思う?

補給する燃料が次から次ヘと飲み込まれるマシーンのような存在。普段アメリカにいる俺たちにとっての最大の懸念は、東京の人々が納得する充分なコンテンツを送り出せないんじゃないか、ということなんだ。

– インターネットやSNSの発達と、人々のスニーカーを集めることへの意識の関係性について何か思うことはある?

単純にそういったことに熱狂する人々が増えた一方で、プロダクト(スニーカー)自体はより少なくなっているようにも感じるね。ネット上に溢れ返る前は、プロダクト自体がもっと各地に散らばった存在のものだった。実際に自分の足で外へ出て、自分の目で探さなければならなかったんだ。それが今や全て自分の手のひらの中にある1台の機械で完結する。そしてそのことを当たり前だと思っている人が多いんだと思うよ。エディ(UNDEFEATEDの共同創設者)と俺も昔は自分たちにとって何が出来ることなのかを理解するために世界中を旅して周った。いくつかのことは失敗に終わった一方で、いくつかのことは上手くいった。例えばロンドンでシューズを沢山買い付けたときだって、どうやってそれらをアメリカ国内に持ち帰るかで相当頭を悩ませたんだ。客にしてみればUNDEFEATEDの棚に並ぶスニーカーがどのような経緯で辿り着いたのかは分からないだろうが、そこには常に表面上には見えない苦労があるものなのさ。

– 2005年に発売されたUNDEFEATED x Air Jordan 4のコラボスニーカーは2万ドル(約210万円)を超えるプレ値で取引されていたけど、そういったリセール(転売)カルチャーについてはどう思う?

誰かが喜んでそこまで高い金額をシューズと引き換えに支払っているという事実は素晴らしいことだと思うよ。ただ俺が気がかりなのはそれを人々が実際にどこかで見かけたとき。それは本当に俺たちが作った本物なのか、ってことさ。世界で72足しか存在しない代物だからね。もし誰かが辺鄙なところでそのコラボシューズを見かけたとして、誰がその1足の真贋を見分けられるんだ? だが俺ら自身はあの72足のシューズが誰の元にいって、その中で誰が手放したのかを知っている。俺ら自身は目先の金のために転売したり、チャリティーのためのクジの景品になんてしたりしていない。数人の仲間は今でも大切に持っていてくれているし、他の残りは世界中に散らばっていったよ。俺らはその残りのシューズも誰の元に行ったか大体は分かっているけどな。

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– いまやスニーカーは音楽シーンをはじめとするその他のカルチャーシーンにも無くてはならない存在だけど、それら同士の関係性や相乗効果についてはどう思う?

ひとつの表現の形としてお互いを補完し合っている関係性だと思うよ。それはカルチャーとしての発展だとも思うし、他のカルチャーがスニーカーシーンを認めている証拠みたいなものでもあると思う。Nikeはアーバンでヒップホップ寄りなイメージが付いて回る一方で、Vansにはもう少しオルタナティブなイメージが付いて回る。その関係性は単純にカルチャーとしての拡張であると同時に互いを補うものだと思うね。

– Beats by Dr. Dre と UNDEFEATED はそれぞれシーンを代表する存在だけど、今回のコラボに際して感じた共通意識みたいなものはある?

俺が思うに信頼性とかリアルっていう部分かな。このプロジェクトも音楽と音の世界で生きていたDreが、それを何か他の形にしたいって思ったところから始まったんだ。俺らUNDEFEATEDとしても常にブランドをこれまで以上に拡大させる可能性を探していたけど、イヤフォンを作ることはUNDEFEATEDが個としてやることではなかった。でも音楽というカルチャーやBeatsのプロダクトは常に俺らの近くにあるものだったんだ。そうしてBeatsとUNDEFEATEDが出会い、今回のプロジェクトに至ったね。

– UNDEFEATEDがブランドとして大きく成長したにも関わらず、筋の通ったブランドアイデンティティを持ち続けている秘訣は?

ビジネスやカルチャーシーン全体が大きく変貌を遂げてきたこの15年間、その渦中に旗を立ててビジネスをし続けることは簡単なことではなかったよ。でもそれができた理由のひとつは、未だに多くのUNDEFEATED初期メンバーたちがチーム内に残ってくれていることだね。未だに中心にいるメンバーは昔からあまり変わらないんだ。もちろん俺らは時代やトレンドに迎合していく重要性も分かっているけど、軸として譲ってはいけない部分のことも分かっている。時には迷ったし、様々なことに柔軟に対応しながらここまで来たけど、俺らは軸の部分である価値観に逆らうようなことだけは一度もしていない。その価値観は未だに手付かずのままな部分ってことだね。

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Source: HYPE BEAST

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