1 映画情報：10月に注目の映画

映画情報：10月に注目の映画

2024年10月04日

10月18日から

ドナルド・トランプは自分の伝記映画を夢見ていたことでしょうが、アリ・アバシ監督の『弟子』は彼の望んでいた映画ではありません。若きビジネスプロデジェ（セバスチャン・スタン）がガリガリにやせたロイ・コーン（『サクセッション』のジェレミー・ストロング）のビジネスの師事となります。ロイ・コーンはニューヨークの検察官で、マッカーシー主義の反共産運動で前魔女狩りの将軍でした。この映画は、5月のカンヌ映画祭で初演以来、劇場公開まで波乱の道のりをたどっています：トランプは公開を阻止しようとし、トム・オルテンバーグのブライアークリフ・エンターテインメント（『華氏911』）が米国での選挙前の公開枠を確保するまで配給に苦労しました。

10月25日から

フランソワ・オゾン監督の30年代を舞台にしたスクリューボールコメディでは、マドレーヌ（ナディア・テレスキェヴィッツ）が苦闘する女優で、弁護士のルームメイト（レベッカ・マーダー）と共謀して浮気者の映画プロデューサーの殺人を自供する計画を立てます。法廷での圧巻のパフォーマンスにより、彼女は「時代錯誤前進の女性」として称賛され、彼女のキャリアは急上昇します。しかし、高慢な年配女優（イザベル・ユペール、その準備が整った状態）が現れ、犯罪の責任を取ろうとすると、全てが混乱します。オゾンの映画は、#MeToo運動後の性的慣習を風刺したもので、時折自己満足しているかもしれませんが、トップノッチのキャストによって実に気持ちのいいジュ・ド・エスプリが続きます。

10月25日から

ペドロ・アルモドバル監督の待望の英語映画初演は、ユーモラスな終末ドラマで、ティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーアの見事な演技によって支えられた、安楽死に熱心な主張を展開しています。冒頭の20分間の説明が多いため、少し揺らぎますが、最終的には監督がこのビタースイートでブラックユーモアの宝石で彼自身のリズムを見つけ出します。

10月25日から

ジャーナリストの伊藤詩織さんが自身の性的暴行事件について5年間にわたる調査を行った結果が、『ブラックボックスダイアリーズ』の基礎となっています。2015年、伊藤さんは、元首相安倍晋三氏に密接な関係を持つ著名ジャーナリスト山口敬之氏による強姦事件を報告しましたが、警察に何度も突き返されました。彼女はあらゆる段階で自分の経験を記録し、捜査能力を活かして、当局が事件を起訴せずにいた共犯者の証拠を見つけ、ついに加害者に対する画期的な民事訴訟を勝ち取りました。彼女の勇気はもちろん莫大ですが、この注目すべき映画のさらに感動的な点は、伊藤さんが法的勝利の後に残る深い傷を取り上げる姿勢です。