1 夢の中で制作された新しい本について

夢の中で制作された新しい本について

写真家ゾーイ・ガートナーとメイクアップアーティストトーマス・デ・クルヴァーは、「制作中にほとんど夢の中にいるようでした」と語ります

2024年9月26日

夢から覚めてすぐ忘れる感覚

夢から覚めてすぐ忘れる感覚は最も奇妙なものの一つです。何かを経験したことはわかるのですが、それが何だったのか、あるいは無意識が何を解決しようとしていたのかがピンとこないのです。これは滑りやすい状態であり、内面世界の移り変わりが私たちによって形成されるテーマです。それが、ゾーイ・ガートナーとトーマス・デ・クルヴァーによる魅力的な新書「すでに過ぎ去り、再びそこに」のテーマとなっています。この本は本日、パリのリブラリー・イボン・ランベールで発売されました。

3年間にわたる撮影

このプロジェクトは、世界的に有名な写真家とメイクアップアーティストの自由な協力の結果です。彼らは9年前の撮影セットで初めて出会いました。「私たちはすぐに意気投合したと思います」とガートナーは振り返ります。アメリカ人写真家の静かな力強さは、彼女を今日のファッション界で最も求められるクリエイターの一人にしています。同様に人間的なタッチを共有し、オーストラリア出身のデ・クルヴァーの不完全さを受け入れる芸術性は、磨きをかけられたグラマーの代わりに生の表現を重視する美の新たなフロンティアを開拓しました。「私たちは数々の雑誌の表紙やシャネル、ミュウミュウ、エルメス、シモーヌ・ローシャ、グッチビューティといったブランドの撮影に忙殺されています。デ・クルヴァーはグローバルビューティアーティストとしてのポジションを務めています。しかし、2人は個人的な作品を一緒に作り始めるために会うことを始めました。「本を作ることを目指すわけではなかったのですが、私たちが続けていくうちに展開し、終わりのない創作への欲求に従っていきました」とガートナーは語ります。「3年間経って、ついにこの作品を共有し、印刷物にまとめるのが適切だと感じました」。

特徴

この本には、アーティスト、友人、友人の友人、そして2人が「愛し、インスピレーションを受けた」モデルが登場します。これらは、ニューヨークに拠点を置くモデリングエージェンシー「ミドランド・エージェンシー」の共同設立者であるレイチェル・チャンドラーにより紹介されました。「私たちにとって非常に特別な人々のミックスです」とデ・クルヴァーが説明します。コンクリート、土壌、木材の質感に対して近接距離で撮影され、ガートナーの夢のようなステージングで感覚が高められます。太陽の暖かさを目を閉じて浸り、地球の湿気が裸の肌の下で感じられます。これらのシーンを不思議なシーンで補完し、デ・クルヴァーのメイクアップは2度見させる力があります。まつ毛を赤く塗り、手のひらに蛇のような模様の奇妙な地図を付け、足の裏に虹色のアイシャドーを塗る。これらのファンタスティックな瞬間は、被写体の内部に見えないものを示唆しています – そこに巣くう私的な思考が具体化され、幻想が肌に生き返る。

感情や夢の旅

メイクアップアーティストが説明するように、「私たちの各画像は異なる感情や夢のようであり、この本が私たちの世界への旅を提供していると感じます。トーマスが夢という言葉を使っていることは正しいと思います」とガートナーは付け加えます。「夢とは、経験するが正確に説明できないものです。私たちは作品を制作する過程でほとんど夢状態でした。それは自由であり、作品が私たちのもとに来るのを許すことでした。カロウアックの即興散文やジャズの即興のようなものでした」。この自由な感覚は、モデルにも広がりました。「すべての被写体には、この同じ信頼の空間に入ることを許されました」とガートナーは語ります。「これを説明するのは難しいです – この本と同じくらい難しいのですが – それは私たちの内なる自己と美しさへの理解が、肌ではなく私たちの存在から生まれてくるという感覚です」。

結のように保持された本

この本は、「私たちの創作プロセスが自由であったようになるべく保ちたいと思い、アートディレクターのジョニー・ルーと密接に協力して、画像を独特なものに変える作業をしました。ガートナーは最終製品について、「伝統的な体験とは異なる本を作りたいと本当に考えました」と述べています。この本は縛られたページでなく、ページをシャッフルしたり折りたたんだり、壁に貼り付けたりできるように解かれています。夢そのもののように、この本は明確な始まりや終わりがなく、「ただ閉じられ、保持されています」と写真家は語ります。「何種類かの被写体が地球に接地しているように、本もほぼ地に足着いています」。