日常を共にする道具としての原始的な機能と、近世以降広がった装飾としての美しさ。服は、そんな二つの目的を持ちます。
〈コモリ(COMOLI)〉は、日本の風土や日本人の体型を前提として、機能と美しさを現代的な解釈で再構築します。18SSコレクションのすべてを以下に掲載します。
タイロッケンやマッキーノといったアイコニックなアウターウェアはルックに登場しません。ブランドの代表作として浸透したアイテムをあえて表に出さないという姿勢には、〈コモリ〉らしい流動性と芯の強さを感じます。
個人的には、チャイナジャケットが気になりました。ルーツが明確に見えるクセの強いアイテムをどう構築し直し、自分たちのものとして提案するのか。ショップで実物を見るのが楽しみになりますね。
トレンドの新陳代謝を視線の端で追う一方で、トレンドとして消費されないスタイルを追い求める。流動と普遍はファッションにまつわるクリティカルなキーワードなのでしょう。〈コモリ〉というブランドは、私たちのそんな入り組んだ期待に応えてくれるブランドなのだと思います。
冬の峠を超えつつある今日この頃、春夏物の立ち上がりを楽しみに鋭い寒さを乗り越えるとしましょう。
Text_Taiyo Nagashima
COMOLI
www.comoli.jp
Source: フィナム