エルメスがマッシュルームレザーを導入

エルメスは、幻覚を引き起こす種類ではなく、マッシュルームベースの「レザー」を本物のレザーの代替手段として先駆的に使用しています。Business of Fashionが報告しています。

ヴィクトリアバッグに新素材を採用

エルメスのクラシックデザインのひとつであるヴィクトリアバッグは、現在、キャンバス、カーフスキン、そしてカリフォルニアのスタートアップ、MycoWorksが3年間の開発を経て生産している新しいマイセリウムの形態であるSylvaniaを使用した素材が利用できます。

エルメスというブランドについて

エルメスを考えると、シルクのスカーフ、香水、そして何よりも高級なレザーグッズが思い浮かびます。ブランドのロゴである馬が荷車を引いている姿は、エルメスが1801年にティエリー・エルメスによって創業され、当初は馬具や優れた乗馬用レザーグッズを製造していたことを示しています。

エルメスは、伝統的なレザー製品を置き換えることはないと声明を出していますが、牛の皮を華やかに処理することで構築されているブランドが、ハンドバッグにマッシュルームレザーを検討しているという点は、おそらく高級品業界全体での広範な変化の始まりを示唆しています。新しいバッグの価格はまだ不明です（元の価格は最大$5150までです）、しかし、2021年末に発売予定です。

マッシュルームレザーとは？

マッシュルーム「レザー」は、菌類の栄養部分である菌糸状の分岐体から作られます。上質なマイセリウムの形態であるSylvaniaを含むマイコワークスが特許を取得しているものが、従来のレザーに対する有望な代替素材として可能性を高めています。

本物のレザーとの比較

本物のレザーを使用する利点は、非常に耐久性があり、何世代にもわたって使用できます。では、マイセリウムはどのように比較されるのでしょうか？ エルメスの芸術監督であるピエール・アレクシ・デュマは、BOFに対して「マイコワークスのビジョンと価値観はエルメスと一致しており、自然な原材料とその変革に強い魅力を感じており、卓越性を求め、対象物が最善の使い方をされ、その寿命が最大限に延びることを目指しています。Sylvaniaを用いることで、エルメスは常に行ってきたイノベーションの中心に位置しています」と述べています。

レザーの代替手段が必要なの？

本物の牛革の生産は非常に無駄が多く、環境に害を与える可能性がありますし、それを製造する動物や人間にとっても有害です。PETAで詳細を読むと、多くの廃棄物や危険な化学物質が出てくることがわかります。

さらに、レザーは動物の毛皮を生産し、着用することとあまり実質的には変わらず、現代基準では道徳的に問題のあるファッション習慣とされていますが、誰も光沢のある革靴を着用して非難されているわけではありません。

「ヴィーガンレザー」とは？

「ヴィーガンレザー」は主に「プラスチック」を意味するマーケティング用語です。避けるのがベストです。

他のブランドもマッシュルームに注目

エルメスは、マッシュルームベースのレザー代替品を公に試している最初の主要な高級ブランドです。ただし、EDEN Power Corpは「Mycelium Research & Development」を2021年春夏コレクションの前面に押し出しましたが、それはマッシュルームからは作られていませんでした。

また、レザー以外では、グッチ、ヴェルサーチ、ヴィヴィアン・ウエストウッド、シュリンプスなどのブランドが毛皮の使用を完全に止めており、ファッション業界の良心が動物福祉や環境の問題に対して時代とその顧客の価値観に合致し始めていると示唆されています。

しかし、正しい方向に進んでいるように見える一方、エルメスはまだオーストラリアで「大規模なクロコダイルファームを開設し」、その皮を他の高級製品に利用しようとしていることを忘れてはいけないことを覚えておいてください。