目次
ヴィンテージファッションの新たな波:シュプリームの「ゴンズジャケット」
ストリートブランドの王様 シュプリーム初期の名作
シュプリームと言えば、誰もが知るストリートブランドの王様ですが、その代名詞とも言えるのが、有名ブランドとのコラボレーションです。最近はラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドとのコラボも増えており、2017年の「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」とのコラボアイテム発売の際は数千人の行列ができ、大きな話題になりました。その後も、「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 Maison Margiela)」や、イタリアのバイクブ
ランド「ドゥカティ(DUCATI)」など、幅広いブランドと協業しています。
ただ、今回紹介するのはそういったキャッチーなものではなく、一見するとシュプリームと分からないくらいのシンプルなアイテム。しかし、それとは裏腹に熱烈なコレクターも多い玄人好みの1990年代の名作、通称「ゴンズジャケット」です。
「ゴンズジャケット」という名前は、スケーターのマーク・ゴンザレスが着用していたことから名付けられました。マーク・ゴンザレスは現在のスケートシーンの礎を築いた人物で、「史上最も影響力のあるスケートボーダー」と称されるだけでなく、アーティストとしても高い評価を受ける、ストリートカルチャーの旗手です。そんなマーク・ゴンザレスは、アメリカ軍のミリタリーウェアなどを製造しているメーカー「スピワック(SPIEWAK)」の「ウェップジャケット(WEP JACKET)」というアウターを愛用していました。ウェップジャケットは「G-8ジャケット」とも呼ばれ、1950年代から1970年代のアメリカ海軍で採用されていた防寒着の総称です。
そんなスピワックにシュプリームが別注して作ったウェップジャケットが、この「ゴンズジャケット」。僕がこのアイテムを好きな理由は、本格的なミリタリーウェアメーカーに発注してモノづくりをするという、シュプリームの本気っぷりが感じられるからです。ヴィンテージマニアには初期シュプリーム好きの人が少なくないんですが、彼らはブランドのモノづくりに対する真摯な姿勢に惹かれているんだと思います。
今後相場は更に高騰?初期シュプリームのストリートスピリットが詰まった一着
1994年に創業したシュプリームですが、「ゴンズジャケット」を発売したのは1996年。当時、シュプリームはニューヨークにしかショップを開いておらず、今と比べてアイテムの製造数も相当少なかったと推測されます。そして、その頃シュプリームを着ていたのは、主に地元のスケーター達。この「ゴンズジャケット」は、シュプリームがまだニューヨークのローカルブランドだった頃の、ストリートスピリットが詰まった一着だ、と言えると思います。
「ゴンズジャケット」はブラック、ネイビー、カーキの3色展開で、一番人気はブラック。僕はコレクターの方から譲っていただきました。僕が主催するイベント「VCM VINTAGE MARKET」でも、争奪戦になるほどの人気アイテムでした。
現在「ゴンズジャケット」の相場は、色やサイズによって異なりますが、大体20〜40万円ほど。「もう十分高いじゃないか!」と思われるかもしれませんが、僕が今このアイテムを紹介するのは、今後「ゴンズジャケット」の価値が更に高騰するだろうと考えているからです。1990年代のシュプリームは「オールドシュプリーム」として近年価値が高まっていますし、シュプリームはストリートとラグジュアリーを繋ぐという、革新的な挑戦をしたブランド。連載第1回で紹介した「ステューシー(STÜSSY)」と「カーハート(Carhartt)」のコラボアイテムと同じように、こういったパイオニア的なブランドを象徴するアイテムは、時が経つにつれてより評価が高まることが多いです。気になる方は今のうちに手に入れておくことをオススメします。
結論
「ゴンズジャケット」はシュプリーム初期の名作で、今後の相場が更に高騰する可能性があります。そのストリートスピリットが詰まった一着は、ファッション愛好家にとって貴重なアイテムとなるでしょう。
よくある質問
Q: なぜ「ゴンズジャケット」は人気が高いのですか?
A: 「ゴンズジャケット」はシュプリームの初期作品であり、ストリートカルチャーの象徴として高い評価を受けています。
Q: このアイテムの相場はどのくらいですか?
A: 現在の相場は20~40万円ほどで推移しており、今後更に高騰する可能性があると言われています。