愛の性質は、女性の情熱が前面に出る転覆ロマンティックコメディ

モニア・ショクリは、フランス・カナダの映画監督で、画面と人間の枠について考えます。最新作である、知的で鮮やかなケベックのロマンティックコメディである愛の本質では、哲学講師ソフィア（マガリ・レピーヌ＝ブロンドー）と書斎家ザビエル（フランシス＝ウィリアム・レオーム）、夜に会話する際に叫ばなければならないほど彼らは別々のベッドで眠っている夫婦です。さらに、二人の間の物理的距離は、映画館での鑑賞時にさらに顕著です。しかし、ソフィアが手慣れた大工であるシルヴァン（ピエール＝イヴ・カルディナル）と不倫関係を始めると、以前は話ができた彼が言葉を取り違え、ミシェル・サルドウを引用し、時代遅れの用語で不快感を引き起こします。サイズは重要でしょうか？男性の語彙に関しては、もしかしたらそうかもしれません。

「執筆は潜在意識と未知から来ます」とショクリはアナザーにメールで語っています。「私は描写する方法を計算しませんが、どこかで私の中に女性と男性のキャラクターを作り出す方法にイライラしていたと思います。私たちは、普通に男性は感情を示さないが、選ばれるために彼らを追う女性のロマンチックなストーリーによって育てられています」と41歳の脚本家・映画監督は語ります。彼女が言うには、典型的な「悪漢」は「何も感じない」が、映画の主人公であることが多いとのことです。「シルヴァンは自分の感情とつながりがありますが、それは『本物の男』として私たちが期待するものでもあります。ザビエルは知的ですが、感情から取り除かれています。私は男性に期待されるものを解体したかったのです」。

ショクリは不倫についての映画の期待通りの固定観念も解体します。愛の本質では、欲望に駆られる最初のきっかけを与えるのは男性ではなく、女性です。ソフィアはシルヴァンの生身の肉体的魅力に惹かれ、それを「他者を繁殖力として見ると、ロマンチックな愛情が生じる」というショーペンハウアーの主張を引用して正当化します。実際、大学生の前で、ソフィアはプラトンやベル・フックスの思索を引用しており、リチャード・リンクレイターのヒット・マンのように、映画は偉大な思想家たちのギリシャ合唱団とともに進行します。「プロジェクトを始めるたびに、その問題について哲学者が何を言っているかを読みます」とショクリは語ります。「それがこれらのアイデアが現実にどのように適用されるか、できないかを知る方法です」。

そのため、映画はソフィアの視点を通して捉えられ、シルヴァンは長身で筋肉質の姿としてしばしばカメラの焦点となります。彼が雑誌の撮影のように照らされていない場合は、DIYに関わる男らしい活動をしています。「身体的魅力は個人にとって非常に個人的なものです」とショクリは語ります。「もちろん、ピエール＝イヴはハンサムな男性です。視聴者の大多数が彼らに簡単に魅せられるように、私はロマンチックなヒーローのように見えるというアイデアを体現する俳優でした。私がシルヴァンを撮影する際には、ソフィアよりもエロティシズムを重視することが重要でした」。

ショクリは、シャワーで自慰をするシーンに言及し、シルヴァンを自身の「スパンクバンク」に使用しています。フラッシュバックでは、視聴者はソフィアの視点からシルヴァンを見て、彼の裸の肌のアップ、彼が喜びに喘ぐ顔、彼女が指で彼の舌をつかむ口などが描かれています。「ソフィアは望む人物になり、単に私たちがほとんどの場合に見るように、望むだけでない」とショクリは語ります。「それは彼女の視点です。彼女が自慰行為をするとき、彼女はシルヴァンのイメージがありますが、[自分自身]はない。この例を挙げたのは、私が『アイドル』を見たとき、リリー＝ローズ・デップのキャラクターがザ・ウィークエンドのキャラクターとセックスをしていたことを幻想しています。彼女は自慰行為をし、見ているのは自分のイメージです。私はそれが奇妙だと思いました」。