HISTORY OF EDWIN
広告から紐解くジャパンデニムの歴史。エドウインのこれまでとこれから。
アメリカでワークウェアとして誕生し、いまやファッションアイテムの大定番となって久しいデニム。日本では戦後になってから、デニムが普及し、定着してきましたが、その立役者となったブランドが〈エドウイン(EDWIN)〉でした。独自の技術やアイデアで新たなトレンドを作り出し、常に日本のデニムシーンをリードしてきた〈エドウイン〉。その広告を時代を追って見てみれば、ジャパンデニムの歴史が浮かび上がります。
- Text_Tetsu Takasuka
- Edit_Yosuke Ishii
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中古ジーンズの販売からエドウインは始まった。
〈エドウイン〉のルーツは、1947年に創業した「常見米八商店」。米軍払い下げの衣料品の卸しから始まり、中古ジーンズの輸入販売も手がけるようになります。1961年からはアメリカからデニム生地を輸入して国内縫製を行い、〈エドウイン〉のブランド名でオリジナルジーンズの販売を開始。
1970’s
ベルボトムや洗練されたストレートシルエットが人気に。
〈エドウイン〉をはじめ、国産ジーンズメーカーが次々と登場してきた60年代。アイビーファッションの流行などもあり、日本のファッションシーンは徐々に成熟。ジーンズもファッションアイテムとして認められるようになります。そして、60年代後半から70年代にかけてヒッピームーブメントが巻き起こる中、人気を博したのが、裾が大きく開いたベルボトムジーンズでした。その一方で、〈エドウイン〉は人体の構造を解析することでかつてないフィット感を生み出す新たな技術を開発。それを応用して作られたスタイリッシュなストレートシルエットの「1050」シリーズは、西海岸スタイルやヘビーデューティスタイルの盛り上がりとともに大ヒットとなりました。
デニムを使った様々なコーディネートをイラストで表現し、デニムの着回しやすさを伝えています。ベルボトムタイプのシルエットが多く見られるのもこの時代の特徴です。
大きく裾が広がったベルボトムを着用したモデルが印象的な広告。〈エドウイン〉のアイコンであるバックポケットのステッチについて解説しています。
全25色のカラージーンズを発売した時の広告。豊富なカラーバリエーションを缶に入ったペンキのようなビジュアルで表現しているのもユニークです。
購入したジーンズに不良品があれば、お取替えするので販売店か本社にご連絡ください、という旨を記した広告。印象的なコピーとともに品質に対する自信をアピールしています。
1980’s
ワークウェアから完全に脱却し、ファッションアイテムの定番へ。
80年代に入るとデザイナーズブランドが隆盛し、日本でも多くの人が最先端のファッションに関心を持つようになります。そんな中、世界的なブランドがこれまでワークウェアの素材としてしか認識されていなかったデニムをデザインに取り入れるようになり、デニムはワークウェアの域から完全に脱却。洗練されたスタイルを構築するためのファッションアイテムとしての地位を確立します。その頃、70年代にすでにサンドペーパーを使ったユーズド加工技術を開発していた〈エドウイン〉は、石とミキシングマシンを使って数年はき続けたかのような自然な色落ちを生み出すストーンウォッシュを開発。世界初のこの技術により、〈エドウイン〉は国産ジーンズのトップブランドに踊り出ます。
メイド・イン・USAを全面に押し出したモデルの広告。モノクロのワイルドなビジュアルでアメリカっぽさを表現しています。
アメリカと日本、それぞれを象徴するカルチャーをコラージュしたポップなビジュアルが印象的。インターナショナルベーシックというモデル名にふさわしい広告です。
ウォッシュ加工の先駆者である〈エドウイン〉は、その魅力を積極的に広告でアピールしてきました。モノクロの写真にすることで、ジーンズの色落ちの良さがより伝わってきます。
〈エドウイン〉が初めて広告を載せたのが、雑誌『メンズクラブ』。その後も、〈エドウイン〉というブランド名とジーンズメーカーであることを広く認知してもらうべく、出稿を続けました。
1990’s
ヴィンテージブームとともに本物志向のものづくりへ。
80年代後半から90年代にかけて、日本では渋カジブームが巻き起こり、世の若者たちは本物志向を強めていきます。その中でヴィンテージデニムも大きな注目を集め、プレミアのついたモデルが高値で取引されるようになります。それにともない〈エドウイン〉では、セルビッジデニムを使った「505」、大ヒットとなった「503」シリーズなど、リアルヴィンテージを追求した名品を世に送り出します。また、広告においては、国内の人気タレントだけでなく、ハリウッドスターのブラッド・ピットを起用するなど、話題に事欠きませんでした。
黒人をモデルに起用した1991年の広告。モデルカットとブランドロゴのみのスタイリッシュなビジュアルで、ファッション層に向けてアプローチを図りました。
「503」の原点となった「フロンティアシリーズ」の広告。ムラ糸を使ったヴィンテージ感のある表情が魅力でした。ビジュアルからもアメリカっぽいワークテイストが感じられます。
最も旬なハリウッドスターであり、最もジーンズの似合う男、ブラッド・ピットが出演したCMで話題になった名品「503」。その後、15年以上にわたり契約が継続し、多くのCMが制作されました。
このように、〈エドウイン〉はジーンズに数々の革新をもたらし、様々な広告によりジーンズの魅力を伝えることで、デニムシーンのみならず日本のファッションシーンを牽引してきました。そしてこれまでに培った技術と経験を武器に、新たな挑戦を続けています。それを象徴するのが、このほど発売される2本の新作ジーンズです。
エドウインのポテンシャルを物語る究極の2モデル。
「EDWIN TOKYO HARAJUKU」のオープン1周年を記念して発売されるのが、こちらの新作。どちらもベーシックな濃紺の5ポケットジーンズですが、実はとても大きな違いがあるのです。左は定価5万円で右は定価5000円。なんと価格の差は10倍。リーズナブルで汎用的なアイテムを多くの人に届ける一方、ジーンズ好きも納得のハイクオリティなアイテムも提供してきた〈エドウイン〉。その振り幅の広さを実感できる2モデルなのです。
「Vintage Straight」は、アメリカ産のオーガニックコットンを使い、ピュアインディゴでロープ染色をほどこした後、日本綿布のシャトル織機で織り上げたデニム生地を採用しています。それを〈エドウイン〉の秋田工場で職人たちが1本1本手作業で裁断・縫製することで出来上がるジーンズは、まさにジャパンデニムの歴史と〈エドウイン〉の歴史を凝縮したような完成度を誇っています。
一方の「すジーンズ」は、“ジーンズの価値を改めて問い直す”をテーマに、カイハラデニムを使用するなどクオリティを追求しつつ、革ラベルやバックポケットのステッチといったディテールを排した“究極のシンプル=素”を追求して作られています。
〈エドウイン〉、そしてジャパンデニムの歴史を振り返った上で、これらのモデルに足を通せば、ジーンズというプロダクトの価値について改めて考えさせられることでしょう。
EDWIN TOKYO HARAJUKU
住所:東京都渋谷区神宮前3-18-23
電話: 03-6447-0330
www.edwin.co.jp
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Source: フィナム