目次
- 1 HOUYHNHNM
- 1.1 フイナムが厳選!この春夏に注目すべきブランド。
- 1.1.1 一度でいいから袖を通してもらいたい。
- 1.1.2 キム・ジョーンズは根っからの旅好き。
- 1.1.3 あのミュージシャンからインスパイア。
- 1.1.4 ドリスはやっぱりドリスだった。
- 1.1.5 メイヤー夫妻が手がけた注目の1stランウェイ。
- 1.1.6 バーバリーチェックが堪らない。
- 1.1.7 注目のプレミアムライン、第2弾。
- 1.1.8 コレクションラインがイケてるの、知ってました?
- 1.1.9 いま最もHOTなブランド。
- 1.1.10 ラグジュアリーストリートブランドの最新形。
- 1.1.11 サッカーファン必見!
- 1.1.12 今季No.1の発見。
- 1.1.13 パリのファッション誌が手掛ける本格派。
- 1.1.14 宮下貴裕が東京に戻ってきた!
- 1.1.15 東京ブランドの新たな旗手。
- 1.1.16 今後の飛躍にも期待。
- 1.1.17 “Less is More”を体現。
- 1.1.18 唯一無二のもの作り。
- 1.1 フイナムが厳選!この春夏に注目すべきブランド。
HOUYHNHNM
FEATURE | フイナムが厳選!この春夏に注目すべきブランド。
2018 SPRING&SUMMER COLLECTION.
フイナムが厳選!この春夏に注目すべきブランド。
これからの時期、いたるショップで目にするSALE! SALE!! SALE!!!の文字。さぞ財布の紐が緩んでいることでしょうが、同時に早いところではすでに次の春夏コレクションが立ち上がっていたりします。そこで、2018SSシーズンにチェックしておくべきブランドをフイナム目線でピックアップしました。秋冬最後のショッピングを楽しみつつ、来たる春夏シーズンに向けたチェックもお忘れなく!
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BALENCIAGA ー バレンシアガ
一度でいいから袖を通してもらいたい。
デムナ・ヴァザリア率いる説明不要のトレンドセッター。トリプルSやロゴ物といったアイコニックなプロダクトに目がいきがちですが、一番の魅力はクチュールテクニックに由来するパターンメイキングの妙。Gジャンやフーディといった普遍的なアイテムでも、一度袖を通せば、その極端なサイジングや立体的なシルエットに驚くこと間違いなし。コレクションピースなのに、日常着として難なく取り入れられる。これこそ一般消費者をも巻き込んで世界が〈バレンシアガ〉に熱狂する理由なのでは。その証拠に、今季選んだテーマも“週末の公園にいる父親と子供たち”というもの。休日のお父さんが着ていそうなマウンテンパーカやオーバーサイズのポロシャツは、自然でありながら一目でそれとわかる存在感を放ちます。
Louis Vuitton ー ルイ・ヴィトン
キム・ジョーンズは根っからの旅好き。
昨季は〈シュプリーム〉とのコラボで話題をさらった〈ルイ・ヴィトン〉。メンズ・コレクション アーティスティック・ディレクターのキム・ジョーンズは、そのほかにも藤原ヒロシのような青春時代の自身の憧れを巻き込むことで、敷居の高かった〈ルイ・ヴィトン〉を身近なものにしてくれました。あのインパクトは別物として、今季は、原点回帰ともいえる旅、とりわけハワイ諸島をインスピレーション源にコレクションを制作。エキゾチックなハワイアンパターンや、現地で堪能できるエクストリームスポーツを連想させるアイテムはどれもキャッチーなものばかりで、サコッシュやサンダルは是が非にでも手に入れたい。ちなみにキムは、ある人からもらった『私が行ったことのない、生涯行くこともないだろう50の島』という本に掲載されている島々のほぼすべてに行ったことがあるのだそう。なるほど、大自然のなかで〈ルイ・ヴィトン〉のラゲージを置いて撮影しているインスタの写真はそういうことだったのか。
GUCCI ー グッチ
あのミュージシャンからインスパイア。
“It’s a little bit funny~, this feeling insi~de.”。これは、聴けば誰もが思い出すであろう“Your Song”の歌い出し。ということで、〈グッチ〉が2018SSコレクションでコラボしたアーティストは、エルトン・ジョン。最近特定の人物や事柄を取り上げるブランドって減った気がするのですが、こういったデザイナーの趣味嗜好がダイレクトに感じられるコレクションは大好きです。ウエストが絞られたベルベットジャケットやスターモチーフのサテンブルゾンは、着る着ないは関係なく、見ているだけでテンションが上がりますし。もうすぐ発表される2018AWコレクションでも、アレッサンドロ・ミケーレがどんなファンタジックなコレクションを披露してくれるのか楽しみでなりません。
Dries Van Noten ー ドリス ヴァン ノッテン
ドリスはやっぱりドリスだった。
様々なブランドの春夏コレクションを見ているなかで、真っ先に目に留まったのが〈ドリス ヴァン ノッテン〉。だって、春夏なのにこのスモーキーカラー中心の色使い、美しすぎませんか? 甘さ控えめのダスティピンクは、メンズにこそぜひ挑戦していただきたい。それに加え端正なテーラリングと、オーバーサイズと括ってしまうには忍びないリラクシングなシルエット。派手さはなくとも、端々から感じ取れる気品は相変わらずです。世界中のファッションブランドがどんなに“ストリート”に傾倒しようとも、ドリスだけは〈ドリス ヴァン ノッテン〉らしさを貫き通している気がしますし、だからこそその存在がより際立って見えるのです。
JIL SANDER ー ジル・サンダー
メイヤー夫妻が手がけた注目の1stランウェイ。
〈OAMC〉の設立者として知られるルーク・メイヤーとルーシー・メイヤーが、〈ジル・サンダー〉のクリエイティブディレクターに就任すると報道されたのが2017年4月。「元〈シュプリーム〉のデザイナーが〈ジル・サンダー〉を率いるなんて、時代は変わったな〜」と思ったものですが、それ以来首を長くして待っていたランウェイがついにミラノで開催されました。ジル・サンダー女史のトレードマークであったミニマリズムはしっかりと継承しつつ、〈OAMC〉のクリエーションに垣間見えるミリタリーの要素をミックスし、ゆるやかなシルエットやドレープで変化をつけた会心の出来。ひとまず、ショーで繰り返し登場したポプリンのホワイトシャツを久しぶりに買い直したい。
Gosha Rubchinskiy ー ゴーシャ ラブチンスキー
バーバリーチェックが堪らない。
まさかの〈バーバリー〉とのコラボレーション! 前半は〈ゴーシャ ラブチンスキー〉お馴染みのサッカーやスケートカルチャーを感じさせるサイケデリックなスタイルを軸にし、後半はそのコラボアイテムを中心とした対照的なルックでコレクションを構成。往年のファンには懐かしく、ブランドがメインターゲットとしているユース世代の眼には新鮮に映ったのではないでしょうか。しかも過剰に手を加え過ぎることなく、オールドバーバリーの魅力といえるあの独特のいなたさを残したところも好印象。本家〈バーバリー〉もこの春夏はバーバリーチェックを用いたアイテムを多数リリースしますし、今年は街で見かける頻度が急増するのでは。
MACKINTOSH 0002 ー マッキントッシュ0002
注目のプレミアムライン、第2弾。
キコ・コスタディノフ。早い人は以前から目を付けていたのではないでしょうか。〈マッキントッシュ 0002〉は、セントマーチン卒業からわずか1年で自らのブランド設立を成し遂げたその神童が手掛ける〈マッキントッシュ〉のプレミアムライン。ラバーに焦点を当てた漆黒ムードの前作から一転、0002は“ガラス”に注目し、色はペールトーン、素材は超軽量ナイロンや伝統のゴム引きファブリックなどを用いた軽快なムードとなりました。時には内側にあるべき構造を露出させることでシルエットに変化を加えたり、直線的なカッティングはミニマルでどこかユニフォーム的であったり。とはいえ、文字とルックを眺めているだけでは完璧には伝わらないであろう繊細かつ複雑な作りこそ、キコの服の醍醐味。手に取って実際に袖を通してみるのがベストです!
Lacoste ー ラコステ
コレクションラインがイケてるの、知ってました?
〈ラコステ(Lacoste)〉といえばワニマークのポロシャツ。オーセンティックゆえに、いま時のファッションに落とし込むためにはあえての2サイズアップくらいがお約束でしたが、パリで見たコレクションラインには従来の〈ラコステ〉らしさは残りつつ、トレンド感が溢れていました。ポロシャツはネック周りを大きく開いてカスタム、よく見るとワニマークも少し傾いていたりと遊び心も満載。懐かしさ感じるナイロンのプルオーバーも、誤解を恐れずに言えばこのダサカワ具合が絶妙です。残念ながら国内での展開はごく一部だけらしいですが、注目しておいて損はないはず。
OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™ ー オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™
いま最もHOTなブランド。
「街中であのストライプ柄を見ない日はない」と断言できるほどの人気を誇る〈オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™〉。加えて、愛用しているセレブレティを日々SNSで見かけるものだからつい色眼鏡で見てしまいがちですが、コレクションラインではそれらは封印。ピッティで発表された18SSコレクションも、伝統的なテイラリングにヴァージルらしい脱構築的なアプローチで向き合ったものでした。テーマは“temperature”。しかも、ただ気候という意味での温度だけではなく、いま何がHOTなのか? どういう意味でcoolという言葉が使われているのか? など、比喩的に使われる“temperature”をダブルミーニングで表現。ヴァージルって本当に聡明なんですよね。でも、〈NIKE〉の“THE TEN”に代表されるコラボプロジェクトの動向も気になるところ。『ガールフイナム』のインタビューでは、意外にも〈ぺんてる〉とのコラボを熱望していました。
BEN TAVERNITI™ UNRAVEL PROJECT ー ベン タヴァニティ™ アンラベル プロジェクト
ラグジュアリーストリートブランドの最新形。
ヴァージル・アブローが牽引するラグジュアリーストリートブランドの特徴といえば、ノリはストリートなのにイタリアンメイドのハイクオリティ。その流れを汲むブランドとしてデビューしたばかりの新鋭が、〈ベン タヴァニティ™ アンラベル プロジェクト〉。クリエイティブディレクターであるベン・タヴァニティのパートナーが、カーダシアンファミリーのヘアメイクを手がけるジョイス・ボネリということもあり、そのネットワークを武器にSNSを中心に知名度は爆発的に拡大中。オーバーサイズのフーディやカットソー、力強いグラフィックといったいまの時代感を存分に反映していますし、にも関わらず日本ではまだ人と被りにくいという点が大いに物欲を刺激してくれます。
KOCHÉ ー コシェ
サッカーファン必見!
左のルックを見たとき、「パリ・サンジェルマンFCのホーム用ユニフォームそのまま!」と思わず驚いてしまいました。しかしそこは〈コシェ〉らしく、ビジューとコサージュでエレガントにカスタマイズ。世の中にはスポーツブランドとのコラボ物は溢れていますが、競技用のアイテムそのものをここまで活かした例ってあまりないのでは? それをコレクションピースに昇華する辺り、クチュールのテクニックを用いて繊細な装飾を施す女性デザイナーのクリステル・コシェだからこそといえます。ウィメンズシーンではすでに確固たる地位を築いている〈コシェ〉がメンズ業界を賑わせる日もそう遠くなさそう。
WIBOE PROJECTS ー ワイボ プロジェクツ
今季No.1の発見。
〈バレンシアガ〉や〈Y-3〉、〈ロエベ〉で経験を積んだデザイナーのブランド。そう聞けばいやが応にも期待は高まってしまうものですが、〈ワイボ プロジェクツ〉がつくるコートには、その経歴に相応しいクオリティーが備わっていました。メゾン仕込みの仕立てに、軽ろやかなファブリックとポップな色合いをミックス。締めるとこは締め、抜くとこは抜くバランスが絶妙なんです。ちなみにこのブランドの存在を知ったのは、愛すべき服バカでおなじみの金子さんが手掛ける「レショップ」の展示会。調べるとインスタのフォロワー数もまだ400人弱という、正真正銘本当の意味で知る人ぞ知るブランドでした。〈ワイボ プロジェクツ〉のすばらしさはもちろん、「レショップ」の審美眼たるや。さすがです。
PRESSURE ー プレッシャー
パリのファッション誌が手掛ける本格派。
〈ギルダン〉のボディにラフに刷ったプリント物だけでブランドが始められてしまういまの時代。これだけ選択肢が多いと逆にどれを選べばいいのかわからなくなることもありますが、まず大切なのは鮮度。この〈プレッシャー〉は17AWシーズンにデビューしたばかりで、しかも手掛けているのはパリのファッションマガジン『PRESSURE』。ディレクターは過去に〈ナイキ〉や〈シャネル〉、〈エルメス〉といった名だたる企業と仕事をしており、最近では世界的に注目を集めるセレクトショップ「BROKEN ARM」のWEBサイトやルックも彼が手掛けているようです。つまり、クオリティーも折り紙付き。一部日本語プリントのアイテムもラインナップしていますが、それもまたご愛嬌ということで。
TAKAHIROMIYASHITATheSoloist. ー タカヒロミヤシタザソロイスト.
宮下貴裕が東京に戻ってきた!
きっと、ここ10年スパンで振り返って考えても、東京コレクションがここまで盛り上がったのは今回で間違いありません。〈ブラックアイパッチ〉の観音能楽堂跡地でのショーあり、〈サカイ〉と〈アンダーカバー〉の合同イベントあり。でも、いち男性目線でいうと、その中心にいたのは宮下貴裕。ブランドスタート7年目にして“Hello, I am The Soloist.”と題されたショーは、終始モノトーンで男女のモデルが混在。スーツスタイルを中心に、ディテールやテキスタイルで音楽やウエスタンの要素を落とし込んで、“Teen Spilit”を想起させる、まさしく〈タカヒロミヤシタザソロイスト.〉のアイデンティティーを凝縮したものでした。こんな胸熱なコレクションを買わずして、今季何を買うのか!
doublet ー ダブレット
東京ブランドの新たな旗手。
Travis Scott やBIG BANGのG-DRAGONがプライベートで着用したりと(彼が着た秋冬のキャメルファーコートは即完だったらしい)、知名度はもはや世界レベルとなった〈ダブレット〉。そんなのアリ?という発想をそのまま形にしてしまう思い切りの良さは今季も健在で、銘打たれたテーマは“UNDEAD”と“DEADSTOCK”の造語である“UNDEAD-STOCK”。長期間保管しすぎてパッケージのプリントがそのまま定着してしまったTシャツや、ジャカードで織り込むことでフラッシャーが永久に一体化したチノパンなど、つい膝を打ってしまうようなアイデアを唯一無二のテクニックで実現しています。TシャツにT-shirt、バッグにBAGのプリントなんてそのままだけど、一周しておもしろい。弊社内では、“DRESS SHIRT”刺繍のシャツで被りが発生していました。
BED j.w. FORD ー ベッドフォード
今後の飛躍にも期待。
ここ2シーズン続けていた東京コレクションへの参加を休止した〈BED j.w. FORD〉。というのも、今後はこれまで以上に海外での活動にも注力したからなのだそう。なんだか悲しくもありうれしくもあり…。そんな区切りとして選んだテーマは“THE”。ブランドらしさを凝縮した、いわばイイとこ取りのコレクションは、ファンならずともチェックしていただきたい濃さに仕上がっています。シャツの胸元をガバッと開けてハイウエストパンツにタックインし、ジャケットを羽織るスタイルは、〈BED j.w. FORD〉が築き上げてきた人物像そのもの。意外にも柄物を展開するのは初めてらしく、左のルックのインナーで使用されているトランプ柄のシャツなんか特にかわいかったです。総柄物が苦手な人でもいけそう。
stein ー シュタイン
“Less is More”を体現。
元々はカットソーのみのコレクションからスタートし、今回で3シーズン目を迎えた〈シュタイン〉フォーカスしたのは、ミース・ファン・デル・ローエ。ル・コルビジェやフランク・ロイド・ライトと並び、近代建築の巨匠と称されるドイツ出身の建築家です。“Less is More”の言葉を残した人といえばピンとくるかも。彼がつくる無機質な建築物と空間のギャップを表現したコレクションには、前出の名言をプリントしたカットソーやバルセロナチェアからインスパイアされたレザーパンツなどが並びます。日用品にしろ何にしろ、ドイツのプロダクトってどこか工業的でソリッドなデザインに惹かれてしまうんですよね。今季の〈シュタイン〉の服も、そんな魅力に溢れています。
cantate ー カンタータ
唯一無二のもの作り。
インスタグラム全盛の現代において、一見するだけで情報を伝えられるロゴアイテムなどに人気が集中するのは致し方ないことだと思いますが、松島紳による〈カンタータ〉はその対極に位置するブランド。日本が誇る手仕事を駆使し、至高の素材を使った服を制作しています。ジャケットの内ポケットに南京玉縁、揉玉、松葉閂を採用し、シャツは綿糸でエレガントに見えるよう35針/3cmの細かいステッチを施す。デザインに直接は現れずとも、着たときに説得力が生まれる物作りはまさしく唯一無二。その分プライスは決して手の出しやすいものとはいえませんが、せっかくの新年だし(という言い訳でもして)、思い切って清水の舞台から飛び降りてみるのもいいのではないでしょうか!
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Source: フィナム