フランス・パリに贈呈されたアメリカ人現代アーティスト・Jeff Koons(ジェフ・クーンズ)による2015年の同時多発テロ犠牲者追悼の意を込めた作品が、Koons側の希望していたパリ16区にある美術館『Palais de Tokyo(パレ・ド・トーキョー)』前での展示は行なわれないと正式に決定された。
“BOUQUET OF TULIPS”と題されたこのプロジェクトは、2016年の発表以来、多方面で物議を醸しておりフランスのアートシーンから度々非難されてきた。というのも、名目上はKoons側からパリへの寄付となっているが、実際のところKoons氏から贈られるは、モニュメントのデザインのみでり、制作にかかる350万ユーロ(約4億5000万円)もの費用は同市が負担をすることに。また展示場所に指定された『Palais de Tokyo』はテロの起きたエリアからは離れて過ぎており、寄付に便乗したアピールなのではないかという推察や、エッフェル塔を望める同美術館のエントランスに約12メートル、35トンもの巨大な作品を置くことで景観が損なわれるなどの懸念が続出した。
なお、フランスの文化・通信省は現在同オブジェクトの新たな展示先を検討中とのこと。文化大臣を務めるFrançoise Nyssen(フランソワーズ・ニセン)は、今件に関してKoons氏と何度も協議を重ね、現地新聞の取材に対して「私たちはこの一連の論争から抜け出したいと思っています。彼は決してPalais de Tokyoに固執しているわけではなありません」と語っている。今月半ばには同大臣とKoonsサイドで今後についての新たな会合が開かれる模様だ。
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Source: HYPE BEAST