メルセデス・ベンツ G450dのディーゼル仕様リアル試乗記

世界限定20台で発表された「メルセデス・ベンツ（Mercedes-Benz）」x NIGO® x〈Moncler（モンクレール）〉による特別仕様車 “G-Class Past II Future”。そのベースとなったのが、今回試乗したG450dだ。

改めて現行Gクラスの販売車両を確認すると3つのパワートレインで展開されている。伝統のV8エンジンを積んだハイパフォーマンスモデル“AMG G63”、完全電動の“G580 with EQ Technology”、そして、直列6気筒ディーゼル＋ISG（インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター）を搭載した、唯一のディーゼルモデルがこの“G450d”である。

G450dは、いちばんリーズナブル（※それでもいまや1824万円）であるものの、そのパワー云々はもちろん申し分ない。最高出力367ps／最大トルク750Nmというこのパワーユニットは、かつてのG63 AMG（2012年〜2018年モデル）が誇った760Nmに迫る数値。2.5トン超の巨体を軽々と走らせるには十分すぎるほどの力強さだ。しかも、満タン時の航続可能距離は1,000kmを超え、数値上では東京〜大阪の往復もノンストップで可能。ディーゼルならではの燃料効率の良さがあり、エコ性能や快適性をしっかり押さえたモデル。

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今回はそんなG450dを借りて、都内を中心に試乗してみた。ただ、都内は、想像以上にGクラスが走っていて、もはや“Gの楽園”。とくに港区を走れば、昭和のカローラ並みに見かけるほど。道路で何度も黒いGクラスとすれ違い、駐車場にもまた別のGクラスが。まさにGee Gee Gee Gee,Baby Baby Baby（©︎少女時代）状態。黙っていても売れるという話は、伊達じゃない。とはいえ、みんなどうやって購入しているんだ!?

と、そんな話はさておき、改めてじっくり乗ってみてまず感じたのは、運転席からの視点の高さだ。カイエンやアルファードとすれ違っても、なお高いと感じるアイポイントは、渋滞時の視界確保に一役買っている。オフローダーだけど、ある意味渋滞マスター的なところもあるのだな、ふむふむ（ディフェンダーやジープ・ラングラーとは同じ視点の高さの印象）。

で、肝心の操作感はというと、誤解を恐れずに言うとちょっとゲーム的。どっこらしょ感はありつつ、この重量2,560kgという巨体を操る感覚は実に面白い。前方両サイドにある、 “きちんと見える”方向指示器の出っ張りをレーンに合わせるように、グングンと進んでいく。そうしてゴール（目的地）に到着して、ロックをかければ、“カシャンっ”とノスタルジックで逞しい音が響く。回数を重ねれば、この“カシャンっ”がゲームのクリア音のように思えたり……（もするかもしれないほど快音と思える！）。デフロックなどのオフロード機能には触れなかったが、ドアに備わるステップや助手席のハンドルに、Gらしい無骨なアジを感じる。これらは、機能美でもあって、乗る度に愛着が湧く気がする。遊び心あるメカニカルさが詰まっているのだ。

高速道路では、「アクティブ・ディスタンス・アシスト・ディストロニック」機能を使えば、この巨躯でも前走車をしっかりと追従。運転支援機能も最新世代で、持ち前の防御力とはまた別の、安心感がある。とはいえ、やっぱり運転が楽しいので、その追従機能はあまり使わず、自分で操作したくなる。911とは違う、別次元のゲーム感を楽しみたいのだ。

走り終えて、Gクラスを降りた瞬間に思った。「今日はちゃんと“運転した”な」と。いい意味でカラダに残るドライブ体験は、ほどよく疲れて、今夜はぐっすり眠れそうだ。

Mercedes-Benz G450d（ISG搭載・2024年モデル）
全長 x 全幅 x 全高：4,680mm x 1,985mm x 1,980mm
ホイールベース：2,890mm
車両重量：2,560kg
エンジン形式：3.0L 直列6気筒 ディーゼルターボ＋ISG（マイルドハイブリッド）
トランスミッション：9速AT（9G-TRONIC）
最高出力：367ps（270kW）／4,000rpm
最大トルク：750Nm／1,350〜2,800rpm
駆動方式：フルタイム4WD（4MATIC）
燃費（WLTCモード）：11.7km/リッター
燃料タンク容量：100L
航続距離（推定）：約1,000km超（満タン時）
乗車定員：5名
車両本体価格：1824万円～

主な装備：
アクティブ・ディスタンス・アシスト・ディストロニック
デフロック（センター／リア／フロント）
電動ステップ
タッチパッド式インフォテインメント（MBUX）
マイルドハイブリッドによる電動アシスト＆回生ブレーキ機能

世界限定20台で発表された「メルセデス・ベンツ（Mercedes-Benz）」x NIGO® x〈Moncler（モンクレール）〉による特別仕様車 “G-Class Past II Future”。そのベースとなったのが、今回試乗したG450dだ。

改めて現行Gクラスの販売車両を確認すると3つのパワートレインで展開されている。伝統のV8エンジンを積んだハイパフォーマンスモデル“AMG G63”、完全電動の“G580 with EQ Technology”、そして、直列6気筒ディーゼル＋ISG（インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター）を搭載した、唯一のディーゼルモデルがこの“G450d”である。

G450dは、いちばんリーズナブル（※それでもいまや1824万円）であるものの、そのパワー云々はもちろん申し分ない。最高出力367ps／最大トルク750Nmというこのパワーユニットは、かつてのG63 AMG（2012年〜2018年モデル）が誇った760Nmに迫る数値。2.5トン超の巨体を軽々と走らせるには十分すぎるほどの力強さだ。しかも、満タン時の航続可能距離は1,000kmを超え、数値上では東京〜大阪の往復もノンストップで可能。ディーゼルならではの燃料効率の良さがあり、エコ性能や快適性をしっかり押さえたモデル。

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今回はそんなG450dを借りて、都内を中心に試乗してみた。ただ、都内は、想像以上にGクラスが走っていて、もはや“Gの楽園”。とくに港区を走れば、昭和のカローラ並みに見かけるほど。道路で何度も黒いGクラスとすれ違い、駐車場にもまた別のGクラスが。まさにGee Gee Gee Gee,Baby Baby Baby（©︎少女時代）状態。黙っていても売れるという話は、伊達じゃない。とはいえ、みんなどうやって購入しているんだ!?

と、そんな話はさておき、改めてじっくり乗ってみてまず感じたのは、運転席からの視点の高さだ。カイエンやアルファードとすれ違っても、なお高いと感じるアイポイントは、渋滞時の視界確保に一役買っている。オフローダーだけど、ある意味渋滞マスター的なところもあるのだな、ふむふむ（ディフェンダーやジープ・ラングラーとは同じ視点の高さの印象）。

で、肝心の操作感はというと、誤解を恐れずに言うとちょっとゲーム的。どっこらしょ感はありつつ、この重量2,560kgという巨体を操る感覚は実に面白い。前方両サイドにある、 “きちんと見える”方向指示器の出っ張りをレーンに合わせるように、グングンと進んでいく。そうしてゴール（目的地）に到着して、ロックをかければ、“カシャンっ”とノスタルジックで逞しい音が響く。回数を重ねれば、この“カシャンっ”がゲームのクリア音のように思えたり……（もするかもしれないほど快音と思える！）。デフロックなどのオフロード機能には触れなかったが、ドアに備わるステップや助手席のハンドルに、Gらしい無骨なアジを感じる。これらは、機能美でもあって、乗る度に愛着が湧く気がする。遊び心あるメカニカルさが詰まっているのだ。

高速道路では、「アクティブ・ディスタンス・アシスト・ディストロニック」機能を使えば、この巨躯でも前走車をしっかりと追従。運転支援機能も最新世代で、持ち前の防御力とはまた別の、安心感がある。とはいえ、やっぱり運転が楽しいので、その追従機能はあまり使わず、自分で操作したくなる。911とは違う、別次元のゲーム感を楽しみたいのだ。

走り終えて、Gクラスを降りた瞬間に思った。「今日はちゃんと“運転した”な」と。いい意味でカラダに残るドライブ体験は、ほどよく疲れて、今夜はぐっすり眠れそうだ。

Mercedes-Benz G450d（ISG搭載・2024年モデル）
全長 x 全幅 x 全高：4,680mm x 1,985mm x 1,980mm
ホイールベース：2,890mm
車両重量：2,560kg
エンジン形式：3.0L 直列6気筒 ディーゼルターボ＋ISG（マイルドハイブリッド）
トランスミッション：9速AT（9G-TRONIC）
最高出力：367ps（270kW）／4,000rpm
最大トルク：750Nm／1,350〜2,800rpm
駆動方式：フルタイム4WD（4MATIC）
燃費（WLTCモード）：11.7km/リッター
燃料タンク容量：100L
航続距離（推定）：約1,000km超（満タン時）
乗車定員：5名
車両本体価格：1824万円～

主な装備：
アクティブ・ディスタンス・アシスト・ディストロニック
デフロック（センター／リア／フロント）
電動ステップ
タッチパッド式インフォテインメント（MBUX）
マイルドハイブリッドによる電動アシスト＆回生ブレーキ機能